日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ペロー(Charles Perrault)
ぺろー
Charles Perrault
(1628―1703)
フランスの詩人、童話作家、批評家。パリに生まれる。韻文コント集(1694)、「赤ずきん」「青ひげ」「サンドリヨン(シンデレラ物語)」などを含む散文コント集『童話集』(1697)の作者として名高いが、フランス幻想文学の先駆者として評価されている。シャルル・ノディエは「文学における幻想的なものについて」(1830)で、ペローの妖精(ようせい)物語にフランス幻想文学の源泉をみている。またペローは、フランス17世紀を代表する批評家で、1671年アカデミー会員となり、アカデミーの集会で朗読した詩「ルイ大王の世紀」le Siècle de Louis le Grand(1687)をきっかけにしておこった「新旧論争」のおりには、進歩派を代表して、保守派のボアローと渡り合った。彼は近代作家がギリシア、ローマの作家に勝ると主張し、ボアローたちは古代作家を擁護した。ペローの論旨は『古代人近代人比較論』Parallèles des Anciens et des Modernes4巻(1688~97)にまとめられ、保守派を論破している。
[窪田般彌]
『新倉朗子訳『ペロー童話集』(岩波文庫)』
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