日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホシムクドリ」の意味・わかりやすい解説
ホシムクドリ
ほしむくどり / 星椋鳥
common starling
[学] Sturnus vulgaris
鳥綱スズメ目ムクドリ科の鳥。同科ムクドリ属16種中の1種。全長約21.3センチメートル。全身が緑色系の金属光沢をもつ黒色で、背面に黄褐色の星斑(はん)がある。嘴(くちばし)は黄色。非繁殖期は淡緑褐色となり、白色の小斑が下面にも現れる。イベリア半島を除くヨーロッパから、北はバイカル湖東部、中国甘粛(かんしゅく)省、南はミャンマー(ビルマ)にまで、旺盛(おうせい)な繁殖力で分布を東進しつつある。日本には近年迷鳥としての数度の記録がある。南アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、オセアニアなどに輸入されたものはすでに定着しているし、北アメリカでは1890年ニューヨークで放鳥された100羽が、現在ではアラスカ、カナダにまで分布地を拡大している。雑食性で、カエル、タニシ、クモ、昆虫などのほか、草本の種子、果実、漿果(しょうか)も食べる。
[坂根 干]