日本大百科全書(ニッポニカ) 「マグワイア」の意味・わかりやすい解説
マグワイア
まぐわいあ
Mark David McGwire
(1963― )
アメリカのプロ野球選手(右投右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のオークランド・アスレチックス、セントルイス・カージナルスで一塁手としてプレー。1998年にロジャー・マリスのシーズン最多本塁打記録を37年ぶりに塗り替え、初めてホームラン70本の大台を突破した長距離打者である。
10月1日、カリフォルニア州ポモナで生まれる。南カリフォルニア大から1984年、ドラフト1巡目(全体10番目)指名を受けてアスレチックスに入団。1984年のオリンピック・ロサンゼルス大会でアメリカ代表チームの4番を務めたように、アマチュア時代から強打には定評があり、マイナー・リーグ時代から期待されていた。1986年のシーズン終盤に大リーグ昇格を果たし、87年にはレギュラー一塁手として定着した。その年、新人記録となるホームラン49本を打って本塁打王となり、新人王にも選ばれた。ホゼ・カンセコJose Canseco Jr.(1964― )とともに強打を振るい、1988年からチームは3年連続リーグ優勝。翌89年にはワールド・シリーズを制した。1993年と94年は故障で長く欠場して両年ともホームラン9本にとどまったが、95年にホームラン39本を打って復活。1996年にはホームラン52本で2回目の本塁打王となった。1997年はシーズン途中でカージナルスへトレードされた。アスレチックスでホームラン34本、カージナルスで24本を打ち、計58本は両リーグで最多だったが、リーグをまたがる移籍だったためにタイトルとはならなかった。1998年は、シカゴ・カブスのサミー・ソーサと歴史に残るホームラン競争を繰り広げ、当時の新記録となる70本で本塁打王を獲得した。1999年も、ソーサを抑えて本塁打と打点の二冠王となった。2000年からふたたび故障に悩まされるようになり、2001年限りで引退。このシーズンも、打率は1割8分7厘ながらホームランは29本を打っており、最後まで群を抜く長打力を維持していた。
16年間の通算成績は、出場試合1874、安打1626、打率2割6分3厘、本塁打583、打点1414。獲得したおもなタイトルは、新人王、本塁打王4回、打点王1回、ゴールドグラブ賞1回。
[山下 健]
『ロブ・レインズ著、桂ケイ訳『マーク・マグワイア ホームラン・ヒーロー』(1998・TOKYO FM出版)』▽『ローラ・ドリスコル著、ケン・コール画、坂本憲一訳『対決!ソーサとマグワイア』(2000・学研)』▽『マイク・ルピカ著、出村義和訳『1998ホームランの夏』(2001・ベースボール・マガジン社)』