日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソーサ」の意味・わかりやすい解説
ソーサ
そーさ
Samuel Sosa Peralta
(1968― )
アメリカのプロ野球選手(右投右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のテキサス・レンジャーズ、シカゴ・ホワイトソックス、シカゴ・カブスで外野手としてプレー。1998年にセントルイス・カージナルスのマーク・マグワイアと本塁打レースを展開して一躍有名になった。1シーズンホームラン60本以上を史上最多の3回も記録している。
11月12日、ドミニカ共和国のサン・ペドロ・デ・マコリスで生まれる。1985年、ドラフト外でレンジャーズに入団。1989年に大リーグに昇格を果たしたが、当時は荒削りな打撃でむしろ俊足の方が注目されていた。そのシーズンの終盤にはホワイトソックスへトレードされ、1991年まで在籍。1992年にカブスへ移籍し、翌93年にレギュラーとなってから、ようやく頭角を現し始めた。同年、ホームラン33本、盗塁36を記録。1998年、本塁打王は当時の新記録である70本を打ったマグワイアに譲ったが、打率3割8厘、ホームラン66本、打点158で打点王となる活躍で、最優秀選手(MVP)に選ばれた。ホームランを打った後、ベンチで中継用テレビカメラに向かい、Vサインの指を胸と口に交互にもっていく「ホームラン・ポーズ」が有名になった。1999年もマグワイアにせり負けたものの、ホームラン63本を打ち、リーグの最優秀打者に贈られるハンク・アーロン賞を受賞した。マグワイアが故障がちだった2000年はホームラン50本で初めて同タイトルを獲得。2001年はホームラン64本を打ちながら、今度はジャイアンツのバリー・ボンズが新記録の73本をマークしてまたも本塁打王は取れなかったが、打点王となった。2002年は49本で2回目の本塁打王を獲得した。
[山下 健]
2003年以降
通算ホームラン499本で迎えた2003年は、4月に大リーグで史上18人目となる500号ホームランを達成したが、ホームラン40本、打点103、打率2割7分9厘に終わった。またこの年、コルクを詰めた違法バットの使用が発覚して7試合の出場停止処分を受けている。2004年はホームラン35本にとどまり、05年にボルティモア・オリオールズに移籍。しかし、ホームランはわずかに14本、打点45、打率2割2分1厘と、成績は下降線をたどった。シーズン終了後にFA(フリーエージェント)となったが移籍先が決まらず、2006年は大リーグでプレーすることはなかった。翌07年にふたたびレンジャースと契約、6月に古巣のカブス戦で大リーグ史上5人目となる通算ホームラン600号を達成した。シーズン成績は、打率2割5分2厘、ホームラン21本、打点92。
2007年までの通算成績は、出場試合2354、安打2408、打率2割7分3厘、本塁打609、打点1667。獲得したおもなタイトルは、本塁打王2回、打点王2回、MVP1回。
[編集部]
『キャリー・マスカット著、山本シェリー詩恵訳、鉄矢多美子監修『神さまがくれたホームラン サミー・ソーサ』(2000・ポプラ社)』▽『ローラ・ドリスコル著、坂本憲一訳、ケン・コール画『対決! ソーサとマグワイア』(2000・学研)』▽『鉄矢多美子著『サミー・ソーサ 心はいつもホームラン』(2000・集英社インターナショナル)』▽『マイク・ルピカ著、出村義和訳『1998ホームランの夏』(2001・ベースボール・マガジン社)』