マシュミ党(読み)マシュミとう

改訂新版 世界大百科事典 「マシュミ党」の意味・わかりやすい解説

マシュミ党 (マシュミとう)

インドネシアイスラムを代表した主要な政党。日本軍政下の1943年11月,イスラム諸勢力を結集したインドネシア・イスラム協議会(マシュミMasyumiはこの協議会の略称)として設立され,独立後の45年11月,ジョクジャカルタにおいてイスラム系の政党として結成された。この政党は,イスラム近代派(植民地時代のイスラム系の諸政党やイスラム系社会団体ムハマディヤ系列)と,東ジャワを中心とする伝統的イスラム派の双方を含んでいたが,52年に後者分裂してナフダトゥル・ウラマを結成した。マシュミ党は,西ジャワ,スマトラスラウェシに勢力をもち,55年の第1回総選挙では国民党に次ぐ得票数を獲得したが,60年9月,スマトラ反乱に荷担したかどで大統領命令により解散させられた。マシュミ党の系列は,現在,インドネシア開発統一党(PPP)に吸収されている。
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百科事典マイペディア 「マシュミ党」の意味・わかりやすい解説

マシュミ党【マシュミとう】

インドネシアの政党。1943年日本占領下でイスラム教徒諸団体が連合して結成。独立当初は最大の政治組織。1952年ナフダトゥル・ウラマ党が分裂。1960年解散を命じられたが,その潜在勢力はきわめて大きい。

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世界大百科事典(旧版)内のマシュミ党の言及

【MIAI】より

…植民地時代末期のインドネシアに成立したイスラム諸団体の連合体〈インドネシア・イスラム大会議Majlis Islamil A’laa Indonesia〉の略称。1937年9月,ムハマディヤナフダトゥル・ウラマが協力して,スラバヤで設立された。イスラム諸団体のゆるやかな連合体として機能し,38年,39年にはインドネシア全イスラム会議を主催し,また,39年11月に大日本回教協会(会長,林銑十郎)が東京で開催したイスラム展にも代表を派遣した。…

※「マシュミ党」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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