ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミノア線状文字」の意味・わかりやすい解説 ミノア線状文字ミノアせんじょうもじMinoan linear scripts 前 2000年頃からエーゲ海周辺に発達したミノア=ミケーネ文化圏で使われていた文字。粘土板に線で記されていて,クレタ島の絵文字から発達したものと考えられ,王宮の在庫目録,商業用記録に使われていた。当初は前 1700年頃からみられる 75音節をもつA型と,より後期の 87音節をもつB型に分けられていた。A型はクレタ島各地で少数ながら発見されているが,使用されている語も読み方も判明していない。B型はクレタ島のクノッソス宮殿址とピュロス,ミケーネ,テーベなどのギリシア本土各地に出土し,1953年に M.ベントリスにより前 13~14世紀頃に使われていたギリシア語を表わしたものであることが解明された。以後,B型はミケーネ文字として独自に規定され,A型だけがミノア文字とされている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by