日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムワッファク」の意味・わかりやすい解説
ムワッファク
むわっふぁく
Abū Manūr Muwaffak ibn ‘Alī al-Harawī
生没年不詳。10世紀後半に活躍したペルシアの薬理学者。ヘラート出身。薬物についての著書をペルシア語で編集しようとした最初の人で、情報を収集するため広くペルシアやインドを旅行した。その著書は『治療の正しい諸性質の基礎の書』Kitāb al-abniya ‘an aqā'iq al-adwiya(968~977)で、そこには、ギリシア、シリア、アラビア、インドの知識が融合されており、扱った薬剤は合計585種、そのうち466種は植物性、75種は鉱物性、44種は動物性のもので、それらをその作用により4分類している。
[平田 寛]