ムーニエ(Constantin Meunier)(読み)むーにえ(英語表記)Constantin Meunier

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ムーニエ(Constantin Meunier)
むーにえ
Constantin Meunier
(1831―1905)

ベルギー彫刻家、画家ブリュッセルに生まれる。最初彫刻を学ぶが、のち絵画に転向し、シャルル・ド・グルー(1825―70)に師事する。1859年ウエストマール・トラピスト修道院に滞在し、以後20年間修道院生活を題材にした作品を制作。78年以降、ベルギーの工業地帯を訪れて労働者をテーマに社会批判的な作品を制作する。85年、絵画とともに彫刻をも手がけ、鋳銅と石とをおもな素材に、炭坑夫、製鉄工、人夫などをモデルに力強いリアリズムの制作を行うかたわら、絵画ではとくに煤煙(ばいえん)や炎を暗い色調で描いた。主題の選択ではミレーの影響があるとされるが、バルビゾン派のリアリズムよりもさらに明確な象徴性と社会主義的な感情が作風の基盤をなしている。とくに彫刻ではベルギーを代表する存在で、労働者を造形化した最初の作家として知られる。死後、ブリュッセルの住居はムーニエ美術館となった。

[野村太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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