メートシップ(その他表記)mateship

翻訳|mateship

改訂新版 世界大百科事典 「メートシップ」の意味・わかりやすい解説

メートシップ
mateship

開拓期のオーストラリアに培われた気風。いわばアメリカのフロンティア・スピリットにあたる。元来は結束して官憲に対抗した流刑囚の気風から生まれ,さらには苛酷な風土に挑むうえで共同作業が不可欠という背景の下に,開拓者,渡り労働者,ゴールドラッシュ時の金鉱掘りの間で,〈1人よりは2人がまし〉という気風が定着した。この気風は労働運動や軍隊組織と結びついて近代的に拡大された。フロンティア・スピリットの突進力に比べてメートシップは防御的,閉鎖的で,この気風がアジアに向けられたとき,白豪主義に悪しき結実をみせた。第2次大戦後,差別主義的側面は否定され,多民族化した社会が結束できる新たなメートシップの醸成が期待されている。アメリカの平等主義が〈概念の平等〉であるのに対し,オーストラリアのそれはより多く〈結果の平等〉である点にも,競争を嫌い,仲間との融和をだいじにするメートシップの特徴が現れている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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