モノスコープ(読み)ものすこーぷ(英語表記)monoscope

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モノスコープ」の意味・わかりやすい解説

モノスコープ
ものすこーぷ
monoscope

テレビ受像機の画面調整に用いるテストパターンを発生させる特殊な真空管。電子銃、ターゲットアノードおよびグリッドなどを一つのガラス管に収めたもので、ターゲットにはテストパターンが印刷されている。印刷用物質には、印刷されていない部分と比べて二次電子放出比(物体に電子を当てたときに物体から放出される電子を二次電子といい、二次電子放出比は放出された二次電子と放射した電子の比率のこと)が大きくとれるものが使われている。電子銃から発射された電子ビームがこのターゲットを走査すると、パターンに応じてターゲット電流が変動するので、これを映像信号として利用する。モノスコープパターンには、図形のゆがみをチェックするための円形模様、中心部と周辺部の差異をチェックするための模様、解像度をチェックするための楔形(くさびがた)模様のほか、コントラストの表示やグレースケールなども印刷されている。また、コンピュータなどの情報処理分野では、文字をディスプレーに表示することが多いことから、これに対応して表示された文字の品質をチェックするために文字を発生するモノスコープもある。

木村 敏・金木利之・吉川昭吉郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例