ヤエヤマサソリ(読み)やえやまさそり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤエヤマサソリ」の意味・わかりやすい解説

ヤエヤマサソリ
やえやまさそり / 八重山蠍
[学] Liocheles australasiae

節足動物門クモ形綱サソリ目コガネサソリ科に属する陸生動物。体長3センチメートル前後。背面暗褐色触肢はやや淡い。体末端の毒嚢(どくのう)は黄色を呈する。腹面は汚白色。夜行性の弱毒種。日本では沖縄県の石垣島宮古島に産し、マツの樹皮下や石の下に生息している。中国南部、台湾、東南アジア諸地域、オーストラリア北部に分布し、これらの地方から輸入される木材などとともに渡来し、しばしば日本の港湾地区で荷役作業中に発見されて話題となる。和名岩川友太郎命名(1906)による。

[服部畦作]

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改訂新版 世界大百科事典 「ヤエヤマサソリ」の意味・わかりやすい解説

ヤエヤマサソリ (八重山蠍)
Liocheles australasiae

蛛形(ちゆけい)綱コガネサソリ科の節足動物。小型で全長3~3.5cmで,日本産の他種マダラサソリに比べてずんぐりした形をしており,触肢や胴も太く,尾部も短い。体色は黄赤色~赤褐色。オーストラリア,ポリネシア,南アジアに広く分布するが,日本では八重山列島宮古列島だけに生息する。日中切株倒木の樹皮下に潜み,夜間活動して小虫を捕食。毒は弱い。
サソリ
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