改訂新版 世界大百科事典 「ラパテア」の意味・わかりやすい解説
ラパテア
Rapatea
多くは湿地に生えるラパテア科ラパテア属Rapateaの多年草の総称。長楕円形から線形の葉身と葉柄があって基部は広がり茎を包む葉鞘(ようしよう)になる葉を,多数出し,大きな種では長さが1.5mにもなる。花茎の頂部に小穂が多数頭状に集まった花序をつけ,花序は2枚の発達した苞葉につつまれる。花は小型で,宿存する3枚の外花被片と膜質で基部で合着した3枚の内花被片を有している。種子にはデンプン質の胚乳を有する。南アメリカの熱帯に約20種が分布し,R.paludosa Aubl.は大型でときに栽植される。
ラパテア科は16属約80種からなり,単子葉植物に属する小さな植物群で,その大部分は南アメリカに,ごく一部がアフリカ熱帯の西部に分布している。ツユクサ科に近縁であるが,とくに有用な種は含まれていない。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報