ツユクサ科(読み)つゆくさか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツユクサ科」の意味・わかりやすい解説

ツユクサ科
つゆくさか
[学] Commelinaceae

単子葉植物の1科。世界に約40属600種あり、とくに熱帯に種類が多い。ほとんどが草本で、花序は集散状、花は両性、3数性で放射相称のものが基本形であるが、左右相称となっているものも多い。花被片(かひへん)は6枚あるが、ユリ科などとは異なり、外側の3枚は萼片(がくへん)状で、内側の3枚が花弁状となっている。子房は上位で3室あるが、そのうち1室が不稔(ふねん)となることがある。種子内胚乳(はいにゅう)はデンプン質である。日本ではツユクサ属Commelina、イボクサ属MurdanniaヤブミョウガPollia、アオイカズラ属Streptolirionが自生し、ムラサキツユクサ属Tradescantiaなどが栽培されている。

[山下貴司 2019年6月18日]

 APG分類でもツユクサ科とされる。

[編集部 2019年6月18日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツユクサ科」の意味・わかりやすい解説

ツユクサ科
ツユクサか
Commelinaceae

単子葉植物ツユクサ目の1科。約 30属 350種。多くは草本で,葉は平行脈基部は鞘となる。花は両性花で左右対称となり,外花被片3枚は萼片状,内花被片3枚は花弁状に発達し,しばしば下半部が癒着して合弁花冠のようになる。おしべは6本あり,その半数は機能を失って仮雄ずいとなることが多い。ヤブミョウガ,ムラサキツユクサ,アオイカズラ,ツユクサ,ムラサキオモトなどの諸属がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android