リンゴの唄(読み)リンゴノウタ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リンゴの唄
りんごのうた

流行歌の曲名。サトウハチロー作詞、万城目正(まんじょうめただし)作曲。1945年(昭和20)10月封切の松竹映画『そよかぜ』の挿入歌。娯楽がまったくなかった終戦直後、食糧難や住宅難、さらにインフレの続く暗い世相のなか、映画に集まった観客は主題歌を歌う並木路子(みちこ)に関心を寄せた。再建直後のコロムビアレコードも、この歌を46年1月新譜として発売。また並木自身も、舞台へ出てリンゴを聴衆に向かってまく。そうした立体作戦が功を奏し始めたころ、ラジオが「のど自慢素人(しろうと)音楽会」の放送を開始した。同年3月以降のこの番組では出演者が繰り返し歌い、たちまち全国へ行き渡った。戦争で打ちひしがれた庶民は明るい曲調に心の支えをみいだし、戦後初のヒット曲となった。[倉田喜弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

新華社

中華人民共和国の国営通信社。新華通訊社が正式名称。 1931年延安で創立され,48年北京に移り,現在は政府国務院新聞総署の管轄下にある。特に文化大革命以後は重要度が高まり,党と政府の発表はここを通じて...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

リンゴの唄の関連情報