新撰 芸能人物事典 明治~平成 「並木路子」の解説
並木 路子
ナミキ ミチコ
- 職業
- 歌手
- 本名
- 南郷 庸子
- 旧名・旧姓
- 小林
- 生年月日
- 大正10年 9月30日
- 出生地
- 台湾
- 学歴
- 高田第一尋常高小卒
- 経歴
- 台湾に生まれ東京の下町で育つ。昭和10年松竹少女歌劇団に4期生で入団。「東京踊り」で初舞台を踏み、娘役として活躍。18年「御代の春」で歌手デビュー。20年10月GHQの検閲第1号で松竹の音楽映画「そよ風」に初出演、挿入歌「リンゴの唄」を唄う。同作品は作詞サトウハチロー、作曲・万城目正で、明るくはつらつとした歌唱が暗く悲しみに沈んだ日本の大衆に希望を与え、レコード発売後3ヶ月で7万枚が売れ、翌年にかけて爆発的なブームをひきおこし、戦後流行歌のヒット第1号となる。その後も「可愛いスイートピー」「陽気なチンタ」「森の水車」とヒットを生み、戦後の流行歌の牽引役となった。レコード吹き込みは20年代で停止状態となったが、ステージや自分の店で歌いつづけた。61年40周年記念に「恋の道玄坂」を発売。平成7年には日本コロムビア専属50周年を記念して、「リンゴの唄」の新バージョンを発表。また、二葉あき子、安藤まり子、池真理子らと共に日本コロムビアのベテラン歌手“五人会”を結成し、懐かしい歌を披露するコンサートなどを開いた。5年より日本歌手協会副会長も務めた。他のヒット曲に「季節の谷間に」「ほたる、この手の中に」など。
- 所属団体
- 日本歌手協会,五人会
- 受賞
- 勲四等瑞宝章〔平成11年〕 日本演歌大賞(演歌功労賞 第10回)〔昭和59年〕
- 没年月日
- 平成13年 4月7日 (2001年)
- 家族
- 夫=南郷 隼人(元日劇舞台監督)
- 伝記
- 流行歌手たちの戦争女たちの歌―時代を映す「地上の星」の肖像晩年の「人間・並木路子」―懐メロと平和と愛と懐郷随想昭和のすたるじい流行歌(はやりうた)―佐藤千夜子から美空ひばりへ「リンゴの唄」の昭和史炎のなかのリンゴの歌―東京大空襲・隅田川レクイエム 菊池 清麿 著新井 恵美子 著石野 昭雄 著塩沢 実信 著並木 路子 著早乙女 勝元 著(発行元 光人社光文社日本文学館第三文明社主婦と生活社小学館 ’07’04’04’91’89’88発行)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報