レチン

百科事典マイペディア 「レチン」の意味・わかりやすい解説

レチン

ボリビアの労働運動指導者。レバノン人移民の子として生まれ,世界一のスズ王パティニョの所有するスズ鉱山の労働者となった。ボリビアでは人口の1%にあたるスズ鉱山労働者が総輸出額の90%以上を生産しており,鉱山労働組合は政治的に大きな影響力をもっていたが,その組合を支配していたのはMNR(民族主義的革命運動)であった。レチンは1945年鉱山労働組合の指導者となり,1952年の民族主義革命でMNRの推すパスエステンソロが大統領に就任するのに指導的な役割を果たした。ボリビア労働総同盟(COB)の委員長に就任し,1956年に成立したシレス・スアソ政権の副大統領に選ばれ,対ソ接近を主張した。1964年,3選をめざすパス・エステンソロに対抗して左翼国民革命党を結成,大統領選に立候補したが敗れた。同年11月に起きた軍事クーデタ支持したが,パスを倒したバリエントス政権とも翌年決裂してチリ亡命。一時帰国したものの,1967年再びチリに亡命した。

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改訂新版 世界大百科事典 「レチン」の意味・わかりやすい解説

レチン
Juan Lechín Oquendo
生没年:1915-2001

ボリビアの労働運動の指導者。レバノン人移民の子として生まれ,パティニョのスズ鉱山労働者となった。1945年鉱山労働組合の指導者となり,52年のMNR(国民革命運動)革命で指導的な役割を果たした。ボリビア労働総同盟(COB)の委員長に就任し,56年には副大統領に選ばれた。64年,3選を目ざすパス・エステンソロに対抗して左翼国民革命党を結成し,クーデタを支持。しかし翌年,次期大統領と決裂してチリに亡命した。
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