文雄(読み)モンノウ

デジタル大辞泉 「文雄」の意味・読み・例文・類語

もんのう【文雄】

[1700~1763]江戸中期の浄土宗学僧丹波の人。俗姓中西音韻学天文学に通じた。著「磨光韻鏡」「三音正譌」「和字大観抄」。ぶんゆう。

ぶんゆう【文雄】

もんのう(文雄)

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精選版 日本国語大辞典 「文雄」の意味・読み・例文・類語

ぶん‐ゆう【文雄】

  1. 〘 名詞 〙 すぐれた文章を作る人。文豪
    1. [初出の実例]「芳菲歇尽無駐、爰唱文雄賞宴来」(出典:凌雲集(814)神泉苑花宴賦落花篇〈嵯峨天皇〉)
    2. [その他の文献]〔論衡‐佚文〕

もんのう【文雄】

  1. 江戸中期の僧。丹波の人。俗姓中西氏。浄土宗。音韻・暦数に精通し、著に「磨光韻鏡」「三音正譌」「和字大観抄」「経史荘嶽音」など。元祿一三~宝暦一三年(一七〇〇‐六三

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「文雄」の意味・わかりやすい解説

文雄
もんのう
(1700―1763)

江戸時代の学僧。音韻学者。丹波(たんば)国(兵庫県)に生まれる。俗姓中西、字(あざな)は僧谿(そうけい)。天文学などにも造詣(ぞうけい)が深かったが、業績の中心は『磨光韻鏡(まこういんきょう)』(1744)を中心とする『韻鏡』研究であり、その後の『韻鏡』研究や「字音仮名遣い」の研究などに大きな影響を与えた。著述は50余部に及ぶが、ほかのおもなものとして『字彙荘嶽音(じいそうがくおん)』『経史荘嶽音』『広韻字府』『三音正譌(せいか)』『磨光韻鏡後篇(へん)』『同余論』などが公刊された。

[沼本克明 2018年10月19日]

『満田新造著『韻鏡研究史上に於ける文雄の位置』『文雄の韻鏡南方音説を評す』『文雄の字彙荘嶽音に就て』(『中国音韻史論考』所収・1964・武蔵野書院)』

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普及版 字通 「文雄」の読み・字形・画数・意味

【文雄】ぶんゆう

著名な文人。〔論衡、佚文〕光武中興するも、修存末だ詳らかならず。孝の世、人を好み、竝びに臺の官(史官)をし、雄會聚す。

字通「文」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「文雄」の意味・わかりやすい解説

文雄
もんのう

[生]元禄13(1700).丹波
[没]宝暦13(1763).大坂
江戸時代の語学者僧侶太宰春台について中国語を学び,その知識をもとに『韻鏡』を研究し,『磨光 (まこう) 韻鏡』 (2巻,1744) で韻鏡研究に一時期を画した。漢字音の研究には,また『三音正譌 (せいか) 』 (2巻,52) など多くの著作がある。『和字大観抄』 (2巻,54) はかなづかいの書で,かな合字提唱などで知られる。

文雄
ぶんゆう

文雄」のページをご覧ください。

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朝日日本歴史人物事典 「文雄」の解説

文雄

没年:宝暦13.9.22(1763.10.28)
生年:元禄13(1700)
江戸中期の仏教天文学須弥山説擁護の先駆的論客,また音韻学者。無相子の名で知られる。丹波国桑田郡(京都府)の生まれで俗姓中西,14歳で宮脇村玉泉寺の鏡誉について剃髪し,まもなく園部の教伝寺の交誉に仕え,さらに京都了蓮寺の誓誉に従った。その後江戸に出て和漢の教籍を渉猟し,中国語学も学んだ。西洋天文学を伝える『天経或問』の説の普及で,地球説が広まるにつれ,須弥山説に対する批判が強くなると『非天経或問』『九山八海解嘲論』を著し,素朴な反論を展開して須弥山説擁護の先陣に立った。

(内田正男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「文雄」の解説

文雄 もんのう

1700-1763 江戸時代中期の僧。
元禄(げんろく)13年生まれ。浄土宗。京都了蓮寺の誓誉に師事。江戸の伝通院でまなぶかたわら,太宰春台(だざい-しゅんだい)について中国音を研究,音韻学の書「磨光韻鏡」をあらわす。のち了蓮寺住職。宗学では「蓮門類聚経籍録」,富永仲基に反論した「非出定後語」などをのこした。宝暦13年9月22日死去。64歳。丹波桑田郡(京都府)出身。俗姓は中西。号は無相。

文雄 ぶんゆう

もんのう

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