一当(読み)ひとあて

精選版 日本国語大辞典 「一当」の意味・読み・例文・類語

ひと‐あて【一当】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鞭などを一度あてること。
    1. [初出の実例]「熊谷、平山が馬は、かひにかうたる大の馬共なり、ひとあてあてば、みなけたふされぬべき間」(出典:平家物語(13C前)九)
  3. いくさなどを、一度相手に仕掛けてみること。勝負を挑(いど)んでみること。
    1. [初出の実例]「それには臆すべからず。汝向て一当あてて見よ」(出典:保元物語(1220頃か)中)
  4. (たか)が他の鳥に加える一回の打撃日葡辞書(1603‐04))。
  5. くじやかけ事などで、一度大あたりを取ること。
    1. [初出の実例]「いづれ一中(ひとアテ)あてたるも最ぞかし」(出典浮世草子・風俗遊仙窟(1744)二)

ひと‐あたり【一当】

  1. 〘 名詞 〙 その事柄や人に、一度当たってみること。一通り当たってみること。
    1. [初出の実例]「風ふけばたかしの山のしら浪にひとあたりしてたれかこゆらん」(出典:広本拾玉集(1346)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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