一畑薬師寺(読み)いちばたやくしじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「一畑薬師寺」の意味・わかりやすい解説

一畑薬師寺
いちばたやくしじ

島根県出雲(いずも)市小境(こざかい)町にある寺。医王山(いおうさん)と号する。正式名称は一畑寺(いちばたじ)。臨済(りんざい)宗妙心寺派に属する。別に一畑薬師教団という講集団がある。894年(寛平6)、一畑山裏の海辺に住む漁夫海中から出現した薬師如来(にょらい)像を奉安すると、盲目の母親の眼(め)が開いた。漁夫は出家して補然と称し、寺を建てて医王寺と名づけたのが始まりと伝えられる。初め天台宗であったが、のち臨済宗に改宗し、寛正(かんしょう)年間(1460~66)には後花園(ごはなぞの)天皇の勅願によって天下泰平、悪病退散、国家鎮護の祈祷(きとう)を行った。本尊の薬師如来は眼病に霊験があるとされる秘仏で、「眼の薬師」とよばれ、その利益(りやく)によって多数の講社が組織された。毎月8日の縁日はにぎわう。

菅沼 晃]

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