一老(読み)いちろう

精選版 日本国語大辞典 「一老」の意味・読み・例文・類語

いち‐ろう‥ラウ【一老】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一人老人。また、一番の年長者長老
    1. [初出の実例]「不知誰本主、一老泣前州」(出典菅家文草(900頃)三・舟行五事)
    2. [その他の文献]〔詩経‐小雅・十月之交〕
  3. 第一の元老
    1. [初出の実例]「為先朝之一老、具蒙慇懃之顧命」(出典:親房卿被贈結城状(1342))

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普及版 字通 「一老」の読み・字形・画数・意味

【一老】いちろう

老徳の人。

字通「一」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の一老の言及

【大人∥乙名】より

…この長男成・老人成とは村落共同体の若衆が一定の年齢階梯に達したとき,規定の負担を全うすることによって老人衆の集団に入る儀式をいい,村人成(もろとなり),官途成,大夫成,衛門成,兵衛成ともいって,たとえば,左近将監,五郎大夫,太郎左衛門,二郎兵衛などの名称が共同体内で公認されるのであり,江戸時代にはこの名称が家固有の屋号になるものもあった。老人衆の中で限られた人数の年齢上位者が宿老,年寄,上乙名などと称され,人数によって〈十人衆〉〈八人衆〉〈六人衆〉といい,最上位を一老,一﨟,一和尚,一和尉,一番尉,一番上,次位を二老,二﨟,二和尉などといった。中世村落の自治組織は,産土(うぶすな)社を運営する宮座と重複しており,宮座の﨟次(ろうじ)は年齢と一致するように定められているが,他村からの養子,入婿の場合は例外的措置が講じられている。…

【年寄】より

…また室町時代,江戸時代を通じて宮座,商工業の座,株仲間の重役も年寄と称されており,江戸時代の村落でも庄屋や名主(なぬし)を補佐する役人を村年寄といい,都市の行政単位である町内の行政を担当し,支配機構の末端をになう役人を町(ちよう)年寄と称した。宮座の年寄も老人,宿老と同義語で,若衆,中老などの年齢階梯を通過したものが,最終の年齢集団の年寄衆(老人)に入り,加入順に一老(いちろう)(一﨟(いちろう),一和尉(いちわじよう),一和尚(いちわじよう)),二老,三老などと称され,一老を勤仕したあと年寄から引退する。室町時代の宮座の年寄は村の年寄と一致するが,江戸時代になると宮座の年寄が村の年寄と一致しないのが一般的な形態である。…

※「一老」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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