七モリブデン酸(読み)シチモリブデンサンエン

化学辞典 第2版 「七モリブデン酸」の解説

七モリブデン酸(6-)(塩)
シチモリブデンサンエン
heptamolybdic acid(heptamolybdate)

H6[Mo7O24],M6[Mo7O24]・nH2O.七モリブデン酸(6-)とその塩のことで,慣用名をパラモリブデン酸(塩)という.IUPAC水素方式命名法ではテトラコサオキシドヘプタモリブデン酸(6-)六水素(テトラコサオキシドヘプタモリブデン酸(6-)塩).MoO3と水酸化アルカリ,または炭酸アルカリの混合水溶液を,硝酸などでやや酸性(pH 5~6)にすると得られる.アンモニウム塩はMoO3アンモニア水の反応で得られる.[Mo7O24]6- は正八面体型の7個のMoO6が,稜共有で結合した構造をもつ.アルカリ金属アンモニウムなどの塩の水和物は,いずれも無色結晶で,安定である.水に可溶.水溶液中でも安定で再結晶も可能であるが,長時間煮沸すると分解する.水溶液は弱酸性を示す.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android