七浦七峠(読み)ななうらななとうげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「七浦七峠」の意味・わかりやすい解説

七浦七峠
ななうらななとうげ

宮崎市青島(あおしま)付近より日南(にちなん)海岸に沿い日南市鵜戸(うど)に至る旧道。海岸は第三紀層の隆起海岸で、小湾や岬が海に迫り、浦に下っては峠を越えるという難路が続いた。終点鵜戸神宮で、唯一の参詣(さんけい)道でもあった。宮崎では新婚の花嫁を馬に乗せ、新郎が轡(くつわ)をとり鵜戸参りをする「シャンシャン馬」の風習があった。「日向(ひゅうが)七浦七峠 二日二夜の旅枕(まくら)……」と民謡に歌われる。

[横山淳一]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「七浦七峠」の意味・わかりやすい解説

七浦七峠
ななうらななとうげ

宮崎県中部,宮崎市南部の青島付近から日南海岸を通って鵜戸神宮へ通じる道の古称江戸時代に,新婚の夫婦は鵜戸神宮にお礼参りをするならわしがあり,曲折の多い海沿いの道を,峠を越え,浦に泊って参詣した。帰りには親族が青島付近まで馬を用意して出迎え,花嫁を馬に乗せ花婿が手綱を引いた。これをしゃんしゃん馬と呼んだ。

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