精選版 日本国語大辞典 「日南」の意味・読み・例文・類語
にちなん【日南】
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宮崎県南部,日向灘に面する市。2009年3月旧日南市と北郷(きたごう)町,南郷(なんごう)町が合併して成立した。人口5万7689(2010)。
日南市北部の旧町。旧南那珂郡所属。人口5073(2005)。北は宮崎市など,東と南は旧日南市に接する。近世,飫肥(おび)藩伊東氏の時代より林業が盛んで,飫肥杉の造林地として知られる。町域の大部分は山地で占められ,森林の8割は国有林である。鰐塚(わにつか)山より発して中央部を南流する広渡(ひろと)川沿いに耕地がある。農林業を主体とし,米作,畜産のほか,ピーマン,キュウリなどの栽培が盛ん。工場誘致が図られるとともに宅地開発,観光開発が進められている。南部をJR日南線が通る。
日南市南端部の旧町。日向灘に面し,旧南那珂郡所属。人口1万1614(2005)。北は旧日南市,南と西は串間市に接する。かつては飫肥(おび)南郷110町のうちに含まれており,中世には島津荘寄郡(よりごおり)に編成された。近世は飫肥藩に属した。町域の過半は山林であり,温暖多雨の気候に恵まれて,造船材として有名な飫肥杉の美林がみられる。農業は早くからミカン園の造成が行われた。南郷川,潟上川流域に耕地があり,米作,果樹や野菜の栽培,養豚,養鶏が行われる。漁業は外浦(とのうら),目井津(めいつ)の両港を基地として沖合・遠洋漁業が行われ,カツオ,マグロなど,県下有数の水揚げがある。外浦は古くは対外貿易の寄航地であった。日向灘沿岸一帯は日南海岸国定公園に属し,沖合3kmにある大島周辺は海中公園に指定されている。また目井津港の北には今は地続きとなった虚空蔵(こくぞう)島の亜熱帯林(天)があり,ビロウやフカノキなど多くの熱帯植物が自生し,アコウの巨木が群生する。南郷川上流には縁結びの神として知られる榎原(よわら)神社があり,1707年(宝永4)建立の本殿を有する。JR日南線と国道220号線が通る。
執筆者:萩原 毅
日南市中部の旧市。1950年市制。人口4万4227(2005)。市域西部には古第三紀の鰐塚山地,海岸近くには新第三紀の鵜戸(うど)山地があり,鰐塚山地から南東方向へ広渡川が流れ沖積地を形成する。市制時に合体した旧町の飫肥,吾田(あがた),油津(あぶらつ)にそれぞれ市街地が発達し,広渡川の河谷に通じるJR日南線と国道222号線によって結ばれている。飫肥は藩政時代飫肥藩伊東氏の城下町で,現在は商業地区であるが,城跡を中心に古い町並みを残し,伝統的建造物群保存地区に指定されている。吾田は行政の中心で,王子製紙の工場も立地する。油津は古くからの商・漁港で,南の大堂津とともに遠洋漁業も近海漁業も活発であり,マグロ,ブリ,イセエビなどの水揚げが多い。林業は,飫肥藩が育成し造船材に利用された飫肥杉を中心に行われる。耕地は全体の5%,ミカンは県内第一,ピーマン,豚はともに第四位である。海岸は日南海岸国定公園に含まれ,鵜戸神宮があり,国道220号線が通じる。
執筆者:下村 数馬
鳥取県南西端,日野郡の町。人口5460(2010)。日野川最上流域に位置し,島根・広島・岡山3県に接する。町域は標高1000m級の山岳に囲まれ,谷底平野や標高500m前後の高原に集落が点在する。中心集落の生山(しようやま)はJR伯備線とバス路線の結節点で,奥日野の林産物の集散地である。日野谷奥の多里(たり)は近世,日野街道の宿場町で,鳥取藩の番所が置かれた。米作,畜産中心の農林業が町の主産業であるが,近年林業が不振なため人口流出が著しい。かつてはたたらによる製鉄が盛んであったが明治期に衰退し,代わってクロム鉱の採掘が盛んになり,最盛期には全国生産量の3/4を占めた。道後山と船通山は比婆道後帝釈国定公園に属し,船通山のイチイは天然記念物に指定されている。
執筆者:上田 雅子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…1834年(天保5)の宗門改めでは両町の住人はあわせて749人を数え,また69年(明治2)の調査でも飫肥町人768人となっているから,近世を通じて町人人口はさほど多くない石高相応の城下町であったといえる。1950年周辺町村を合併し,日南市となった。飫肥藩【上原 兼善】。…
※「日南」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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