万暦赤絵(読み)バンレキアカエ

デジタル大辞泉 「万暦赤絵」の意味・読み・例文・類語

ばんれき‐あかえ〔‐あかヱ〕【万暦赤絵】

万暦窯で焼かれた五彩赤絵磁器。「大明万暦年製」の銘がある。

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精選版 日本国語大辞典 「万暦赤絵」の意味・読み・例文・類語

ばんれき‐あかえ‥あかヱ【万暦赤絵】

  1. 〘 名詞 〙 中国、明代の万暦年間に万暦窯で焼かれた赤絵磁器。「大明万暦年製」の銘がある。五彩。
    1. [初出の実例]「万暦赤絵には多く龍の文様がある」(出典:春城随筆(1926)〈市島春城〉趣味談叢)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「万暦赤絵」の意味・わかりやすい解説

万暦赤絵
ばんれきあかえ

中国,明代の万暦年間 (1573~1619) に,江西省景徳鎮窯で焼かれた赤絵の磁器。きわめて美しかったことから一般化した日本での名称。薄い胎土,白い器表にかけた釉 (うわぐすり) が重厚な美を示す。赤だけでなく青,黄,緑なども配している。

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世界大百科事典(旧版)内の万暦赤絵の言及

【赤絵】より

…続く嘉靖年間は赤絵の全盛期で民窯では金襴手,官窯では白磁や青花磁に五彩を加えたものを中心に,色釉地に色釉文様を加えた雑彩と呼ぶ濃麗な作品も作られた。万暦年間(1573‐1619)には官能的で濃艶な赤絵が作られ,日本の茶人はこれを万暦赤絵と呼んで珍重した。また明末の天啓年間(1621‐27)から清初にかけて天啓赤絵,南京赤絵と呼ばれる粗雑な器皿,福建省あたりでは奔放な絵付の呉須赤絵が焼造されたが,これらも日本の茶人たちに愛好され,日本の赤絵の発展に大きな影響を与えた。…

【明代美術】より

…この時代は,とくに赤絵が流行し,ことに金襴手が製作されるなど,豪華けんらんたる装飾性が追求された。万暦年間(1573‐1619)の五彩は日本では万暦赤絵と呼ばれて有名であるが,色はどぎつく,器面は文様でうめつくされ,筆致はやや粗放であるなど,爛熟期の様相を示す。 明代の工芸としては,ほかに漆工が元代に引き続き盛んであり,彫漆,沈金,塡漆,螺鈿等の技法が行われた。…

※「万暦赤絵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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