万福寺庭園(読み)まんぷくじていえん

国指定史跡ガイド 「万福寺庭園」の解説

まんぷくじていえん【万福寺庭園】


島根県益田市東町にある庭園万福寺は、創建の年代は明らかではないがもとは安福寺と号し、現在の中州浦にあったと伝えられる。1374年(応安7・文中3)に11代七尾城主益田兼見(かねはる)が現在地に移し、寺号を万福寺と改めて菩提寺としたといわれる。本堂は国の重要文化財に指定されており、本堂裏手にある庭園は、雪舟の築庭と伝えられ、池泉回遊式兼観賞式庭園と呼ばれる築山泉庭である。中央奥に須弥山(しゅみせん)を表す石組みを置き、右に枯れ滝の石組み、手前中央に心字(しんじ)池、左に三尊石(さんぞんせき)を配している。庭園は広くはなく、築山も大きくはないが、畳石は階段をつくり、三石は天地人をかたどり、水は清く、本堂の建築とよく調和している。室町時代の庭園様式の典型といわれ、1928年(昭和3)に国の史跡および名勝に指定された。徒歩約10分のところに、雪舟庭園で知られる医光寺がある。JR山陰本線ほか益田駅から石見交通バス「折戸」下車、徒歩約2分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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