三之丸(読み)さんのまる

日本歴史地名大系 「三之丸」の解説

三之丸
さんのまる

[現在地名]桑名市三之丸

桑名城本丸の西にある一画で、上級藩士の屋敷地。北は揖斐いび川に面し、東・西・南とも堀で囲まれている。南と北の二つの大手門および大手橋によって城下かた町・川口かわぐちに通じる。中世にはこの付近をくちと称し、太田氏の館や日蓮宗顕本けんぽん寺があった。文禄年間(一五九二―九六)に桑名城築城に際して、江ノ口の住民はもろ(のちの江戸町)に移された。慶長六年(一六〇一)本多忠勝が桑名城に入城、「久波奈名所図会」に「三年目より御城普請あり、此時天守三之丸出来」とあり、この時に顕本寺はかや町へ移ったと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android