三之公(読み)さんのこ

日本歴史地名大系 「三之公」の解説

三之公
さんのこ

[現在地名]川上村大字神之谷

吉野川の最上流部、本沢ほんさわ川・北股きたまた川の両渓谷の中間に位する三之公川の渓谷。V字谷が深く浸食し、原生林で覆われ、隔絶性がとくに強い地域である。中流八幡平はちまんだいら、最奥地には隠平かくしだいらと称する後南朝の宮跡伝承地がある。行政上は神之谷こうのたにの領域で、古来神之谷川の上流と峠を越えて結ばれていたようである。

八幡平は川を挟む谷あいのやや開けた土地で、左岸の小丘陵を尊義王宮跡(口の宮)と伝える。背後天狗てんぐ(一〇〇五メートル)峻嶺に連なり前は曲流する三之公川に臨み、いま八幡宮小祠と堂跡が残る。小泉家系図では後南朝の頃八幡社を建立して八幡平と称したと記すが、この社は昭和四年(一九二九)入之波しおのはに遷座(三之公神社)、今の小祠は地方民が南帝王(尊義王)を祀る社である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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