山川 世界史小辞典 改訂新版 「三位一体説」の解説
三位一体説(さんみいったいせつ)
trinitas[ラテン],Trinity[英]
キリスト教の根本教理の一つで,父なる神,イエス・キリストとして世に現れた子なる神,聖霊である神が三つの位格(persona)と一つの実体(substantia)において存在するという説。新約聖書には三位一体という表現はないが,父,子,聖霊の3者を並記した個所はある。テルトゥリアヌスに初めてこの表現が見出され,アタナシウスが強力に主張した。三位一体説はニケア教会会議(325年),コンスタンティノープル教会会議(381年),カルケドン教会会議(451年)を経て正教教理と認められ,カッパドキアの3教父(バシレイオス,ニュッサのグレゴリオス,ナジアンゾスのグレゴリオス)とアウグスティヌスによって神学的に体系づけられた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報