三兵答古知幾(読み)さんぺいたくちき

改訂新版 世界大百科事典 「三兵答古知幾」の意味・わかりやすい解説

三兵答古知幾 (さんぺいたくちき)

高野長英翻訳した兵書。全27巻。1847年(弘化4)稿,56年(安政3)刊。原典プロイセンの陸軍将校ブラントの三兵戦術書の蘭訳本で,〈答古知幾〉はオランダ語の戦術taktiekの音訳。44年に脱獄して,田原藩医鈴木春山庇護の下に江戸市中に潜伏中の長英が,春山の没後,彼の遺志を継いで翻訳を完成した。これにより歩・騎・砲の3兵科の共同による三兵戦術の体系がはじめて日本に紹介された。《高野長英全集》に所収
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関連語 佐藤昌介

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三兵答古知幾」の意味・わかりやすい解説

三兵答古知幾
さんぺいたくちいき

幕末の洋学者高野長英訳述の兵術書。 27巻。嘉永3 (1852) 年成立。プロシア人ブラントの原書をオランダ人ミュルケンが訳した"Taktiek der drie wapens,infanterij,kavallerij en artillerij" (歩兵騎兵砲兵戦術) による操典

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