三教融合論(読み)さんぎょうゆうごうろん(その他表記)San-jiao rong-he-lun

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三教融合論」の意味・わかりやすい解説

三教融合論
さんぎょうゆうごうろん
San-jiao rong-he-lun

中国で,儒教仏教道教の三教は教化の方法と対象が異なるだけで,その究極的な主旨は同一である,あるいは教化の方法と対象が異なるので,三教相互で対立抗争する必要はなく,それぞれの意義を認め合いながら調和共存しうる,という思想。三教融合論が盛んになるのは,儒仏道の勢力が拮抗してくる劉宋 (5世紀) の頃からで,それ以前は,儒教と仏教,仏教と道教の二教融合論が盛んであった。儒仏融合論は,仏教が儒教に対抗しうる力をもつ東晋の中頃から孫綽 (312~370) の『喩道論』や慧遠 (334~416) の『沙門不敬王者論』などで唱えられ,道仏融合論は,劉宋の顧歓 (420以後~483以後) の『夷夏論』に始る。隋唐以後は,三教融合論がさまざまな立場から説かれて広く行われた。

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