三福寺村(読み)さんふくじむら

日本歴史地名大系 「三福寺村」の解説

三福寺村
さんふくじむら

[現在地名]高山市三福寺町・上野町うわのまち曙町あけぼのまち桜町さくらまち

大八賀だいはちが川下流域にあり、西南部を松本まつもと村、南部を高山町と接する。同川は当地一帯では三福寺川ともよばれ、ここでみや川に合流する。高山町から平湯ひらゆ街道を大雄だいおう寺手前で左にそれて雲龍うんりゆう寺前を通り、三福寺峠を越えて大八賀川に架かった板橋を渡って村に入る。飛騨では肥沃な土地で春の雪解けも早く、一に袈裟丸けさまる(現吉城郡古川町)、二に三福寺と膏腴な土地と称された(飛騨国中案内)おとしに白鳳・奈良時代に創建されたとされる三仏さんぶつ寺跡がある。「飛州志」によると飛騨一宮水無みなし神社(現大野郡宮村)蔵の大般若経の貞治三年(一三六四)奥書に「大八賀郷宝雲山三仏禅寺西向寮」とある。村名はこの三仏寺に由来し、のちに仏を福と改めたという。

慶長一〇年(一六〇五)の飛騨国郷帳では大八賀郷に村名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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