朝日日本歴史人物事典 「三須成懋」の解説
三須成懋
生年:天保9(1838)
明治期の実業家。岩国藩士足助重雍の次男,天保12(1841)年に三須教方の養子となる。慶応3(1867)年に藩の節倹掛となって殖産興業に力を注ぎ,維新後,明治6(1873)年に義成堂を創設して士族授産をはかった。2年後に義成堂を解散して義斉堂を新設し,会頭となって綿織物を中心とする工場を経営した。その後,義斉堂は絹織物業にも進出し,地域産業として発展した。著書に『切磋録』がある。士族授産から出発し,義斉堂の企業転換に成功して岩国地域を発展させた功績は大きい。<参考文献>『岩国市史』
(小川国治)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報