上ムカワ場所・下ムカワ場所(読み)かみむかわばしよ・しもむかわばしよ

日本歴史地名大系 の解説

上ムカワ場所・下ムカワ場所
かみむかわばしよ・しもむかわばしよ

上ムカワ場所・下ムカワ場所はシコツ十六場所のうちの場所名(松前国中記)。シコツ十六場所はのちユウフツ場所として統合され、天保郷帳に「ユウフツ持場之内」として「ムカワ」がみえる。「新穂別町史」によると、上ムカワ場所は現在の穂別ほぺつ町、下ムカワ場所はほぼ鵡川町にあたる。「津軽一統志」に「む川」は「あつまへつ」より二里ばかりで、「悪敷川有 麓浅右衛門・加藤九郎右衛門商場 狄おとなニシ介」とあり、「狄蜂起集書」では「む川、是迄弐里斗 悪川あり 家三十(軒)斗 麓浅右衛門・加藤九郎右衛門持分、おとなにし介持分」とあって、松前藩士二名の知行所で、おとなニシ介の持分。一七〇〇年(元禄一三年)の支配所持名前帳に「志古津ノ上武川鳥屋一ケ所 麓小兵衛」「志古津ノ中武川シユグノへ 獣場鳥屋一ケ所 大久保(宗)次郎」とあり、鳥屋は鷹などの狩場、獣場は鹿・熊の狩場である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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