上三坂村(読み)かみみさかむら

日本歴史地名大系 「上三坂村」の解説

上三坂村
かみみさかむら

[現在地名]いわき市三和町上三坂みわまちかみみさか

三坂川上流部の阿武隈高地の山中にあり、南東上市萱かみいちがや村、南は白川しらかわ竹貫たかぬき(現古殿町)、西は北方きたかた(現平田村)、北は中三坂村と田村郡和名田わなだ(現小野町)。もと三坂村のうちで、近世に入り上・中・下の三村に分村したと思われる。三坂村は文安三年(一四四六)九月一〇日の岩城隆忠証文写(上平文書)によれば、「奥州岩城之郡之内、三坂小島まちなか井孫四郎殿知行分あゐそへ候て、三坂七郎殿」へ去渡され、岩城氏は三坂氏を自領の北西の重鎮として遇した。三坂氏は長禄年間(一四五七―六〇)には三倉さのくら(佐野倉山)を築いて居城とし、天文年間(一五三二―五五)には織内尾張守を中寺の北目なかでらのきため館に置いてその地を治めさせたという(石城郡町村史)。永禄(一五五八―七〇)末年から天正(一五七三―九二)初年頃と思われる三月二七日の岩城親隆書状(秋田藩家蔵岩城文書)に「三坂之仕合、絶言語子細候」とみえ、親隆は三坂の振舞に対し怒っている。天正年間と思われる三月一四日の岩城常隆書状(三坂文書)では、三坂越前守に対し「刑部太輔方、三坂ニ無在城候哉」と問合せている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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