日本歴史地名大系 「上出雲寺跡」の解説 上出雲寺跡かみいずもじあと 京都市:上京区室町学区上御霊竪町上出雲寺跡[現在地名]上京区上御霊竪町上御霊(かみごりよう)神社の社域にあった寺で、小山(こやま)寺とも称し(古今秘抄)、御霊寺ともいった。「延喜式」大膳式に盂蘭盆供養料を給される七寺の一として出雲寺がみえる。延暦年間(七八二―八〇六)最澄によって開かれたと伝える説もあるが不詳。もとこの地に住んだ出雲氏の氏寺であったものが、のち御霊会の修法堂として利用されるようになったものであろう。天徳二年(九五八)五月疫病が流行した時、上出雲御霊堂ほか一三の社寺で、僧一〇人が三ヵ日にわたり、仁王般若経を転読した(同月一七日「左弁官下文」類聚符宣抄)。「日本紀略」康保三年(九六六)七月七日条にも「今日、宣五畿七道、三箇日、於諸国定額寺転読般若経、禁断殺生、又自来十日三箇日於諸寺有読経、七大寺、延暦寺、東西寺、御霊堂、上出雲寺、祇園等也、依天下疾疫也」と記される。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報