日本大百科全書(ニッポニカ) 「上場台地」の意味・わかりやすい解説
上場台地
うわばだいち
佐賀県北西部、東松浦半島(ひがしまつうらはんとう)に広がる玄武岩類の丘陵性台地。標高約100~200メートル。唐津市(からつし)西部および東松浦郡、玄海(げんかい)町方面に広がる台地で、水利が悪く溜池(ためいけ)が多い。県下でも雨が少なく、一般に畑作が卓越する。スイカ、タバコ、ニンニク、ミカンなどの商品作物や、肉用牛飼育、酪農などの導入をみたが、従来、人口流出や出稼ぎが目だった。しかし、値賀(ちか)崎の玄海原子力発電所の設置や、名護屋(なごや)大橋、外津(ほかわづ)橋の完成などに伴って、交通体系の整備が進められ、国と県の上場土地改良事業も本格化する。県立高校も二つ新設され(2005年に統合)、高校進学率が上昇した。台地末端の溺(おぼ)れ谷には漁港が点在し、松浦(まつら)党水軍、名護屋城の史話や、玄海国定公園の景勝に富む。
[川崎 茂]