精選版 日本国語大辞典 「上帯び」の意味・読み・例文・類語
うわ‐おびうは‥【上帯・表帯】
- 〘 名詞 〙
- ① 衣服の一番外側にしめる帯。
- [初出の実例]「なか帯に上徳きて、白きうはおびをして」(出典:岡本記(1544))
- ② 鎧の胴先につける帯。鎌倉末期からはこの上に麻布をたたんで使用したものをいった。胴先の緒。繰締(くりじ)めの緒。
- [初出の実例]「すでに腹をきらんと、上帯をおし切りければ」(出典:平治物語(1220頃か)中)
- ③ 儀仗の平胡簶(ひらやなぐい)、軍陣の箙(えびら)に用いる装束の緒の一種。佩用する腰の緒。平胡簶では背板(せいた)、箙では端手(はたて)につけた控えの緒。武官の遠行、武士の戦場に臨んで、これを引きまわして強く結び、腰当たりの動揺を防ぐのに用い、平常は結んだままで飾りの緒とした。平胡簶には丸組の緂(だん)の緒を用いる。
- [初出の実例]「やなぐひを負ふ。うはおびはひくべし。ひかぬは常のことなり」(出典:満佐須計装束抄(1184)二)
- ④ 梵鐘(ぼんしょう)の部分の名。乳(ち)の間(ま)の上の帯状のところ。