日本大百科全書(ニッポニカ) 「上斎原」の意味・わかりやすい解説
上斎原
かみさいばら
岡山県北部、苫田郡(とまたぐん)にあった旧村名(上斎原村(そん))。現在は鏡野町(かがみのちょう)の北部を占める地域。旧上斎原村は、2005年(平成17)鏡野町、奥津(おくつ)町、富(とみ)村と合併、新たに鏡野町となった。中国山地の吉井川源流域にあり、旧村域の約90%が標高600メートル以上の山地で、かつてはたたら製鉄が行われ、木地師(きじし)集落もあった。谷底での農業のほか林業、牧畜が行われる。恩原(おんばら)高原は氷ノ山後山那岐山(ひょうのせんうしろやまなぎさん)国定公園に含まれ、おもにスキー、キャンプに利用されるが、一部では牛の放牧も行われている。鳥取県境の人形峠を国道179号が越えるが、峠付近には日本原子力研究開発機構の人形峠環境技術センターがある。また、西部には県立森林公園がある。
[由比浜省吾]
『『上斎原村史』全2巻(1994、2001・上斎原村)』