上本(読み)あげほん

精選版 日本国語大辞典 「上本」の意味・読み・例文・類語

あげ‐ほん【上本】

  1. 〘 名詞 〙 役所に差し出す納本。特に、明治以後、演劇または映画に上演する前に、興行願書と一緒に、警視庁または府県庁保安課にさし出して検閲を受ける正副二通の台本。昭和二〇年(一九四五)終戦以降一時米軍の検閲を受けたが、この制度は廃止されている。伺本(うかがいぼん)
    1. [初出の実例]「ラヂオ二十日は、菊田一夫作『笑ふ巴里』と定めて、アゲ本する」(出典:古川ロッパ日記‐昭和九年(1934)五月一一日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の上本の言及

【狂言本】より

…その記述の形式から見て,当時流行の浮世草子や絵入浄瑠璃本などの影響を強く受けて成立していることが窺われる。ほかに大当り狂言に限り,主な役者の芸評を加え,本文の内容を豊富にした,上下2冊の〈上本(じようほん)〉が刊行されたものもある。狂言本は,当時の歌舞伎狂言の内容を知る上で,役者評判記番付と並んで,最も貴重で重要な資料といえる。…

※「上本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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