上無し(読み)ウエナシ

デジタル大辞泉 「上無し」の意味・読み・例文・類語

うえ‐な・し〔うへ‐〕【上無し】

[形ク]
これより上に立つものがない。最上である。
「あはれ逸物いちもつや、―・きものなり」〈著聞集・二〇〉
際限がない。きりがない。
富士の煙も猶ぞ立ちのぼる―・き物は思ひなりけり」〈新古今・恋二〉

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精選版 日本国語大辞典 「上無し」の意味・読み・例文・類語

うえ‐な・しうへ‥【上無】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙
  2. それに勝るものがない。最上である。極端である。
    1. [初出の実例]「あはれ逸物や。上なきものなり」(出典:古今著聞集(1254)二〇)
  3. 際限がない。きりがない。
    1. [初出の実例]「富士の嶺の煙も猶ぞ立ちのぼる上なきものは思ひなりけり〈藤原家隆〉」(出典:六百番歌合(1193頃)恋六)
  4. 自分より上の者がいないように、傍若無人なさまである。制限がなく、勝手である。
    1. [初出の実例]「遊君どもをすゑならべ、〈略〉うへなき者のあそびとてあふどめいて酒をぞのふたりける」(出典:幸若・山中常盤(室町末‐近世初))

かみ‐な・し【上無】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 これより上はない。最高である。無上である。
    1. [初出の実例]「いにしへの、かみなききはの御手どもの、世に名を残し給へるたぐひのも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)

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