上神主遺跡(読み)かみこうぬしいせき

日本歴史地名大系 「上神主遺跡」の解説

上神主遺跡
かみこうぬしいせき

[現在地名]上三川町上神主 富士山台、宇都宮市茂原町

川右岸の段丘状台地の東縁部にあり、奈良時代の河内郡の郡衙跡か郡寺跡と推測される。かつては上神主廃寺といわれた。範囲は古瓦の散布状態や地形から約一〇〇メートル四方余とみられる。出土瓦には複弁八葉蓮華文・素弁八葉蓮華文の鐙瓦、均整唐草文の宇瓦などがあり、下野薬師寺跡(現南河内町)や国分寺跡・国分尼寺跡(現下都賀郡国分寺町)多功たこう遺跡出土のものとの類似性がみられる。とくに牡瓦牝瓦などの外面人名を篦書したものが多出し、出土数二一一(姓の明らかなもの一三四・姓名ともに明らかなもの七七)姓名としては氏部古牛・大伴部毛人・大麻部古万呂・神主部牛万呂・木部古万呂・君子古君・酒部赤麻呂・雀部弥万呂・白部毛人・財部忍・丈部忍万呂・矢田部安万呂・大麻績若古などが知られ、最も多い部は酒部で、以下雀部・木部・大麻部・白部・丈部の順。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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