六訂版 家庭医学大全科 「上腕骨遠位部骨折」の解説
上腕骨遠位部骨折
じょうわんこつえんいぶこっせつ
Distal humeral fracture
(運動器系の病気(外傷を含む))
どんな外傷か
上腕骨の肘付近の骨折です。転んだ時に手をついたり、直接打撲した時に起こります。肘の関節のなかまで骨折が及ぶこともあります(図11)。
症状の現れ方
肘周辺の強いはれと痛みが出ます。そのため腕を動かすことはできません。はれが強くなると、神経や血管が圧迫されるため指先のしびれが出ます。
検査と診断
治療の方法
骨折部にずれがない場合には、4週間前後ギプス固定を行います。ずれがある場合には手術により骨折部を合わせ、金属で固定します。
固定によって肘の動きが悪くなると日常の生活で困るので、できるだけ早期から関節を動かす練習を開始します。そのため短期間ですがリハビリテーションが必要となります。
応急処置はどうするか
三角巾や板などで腕を固定し、整形外科を受診してください。はれが強く手がしびれたり、指の動きが悪い場合は早急に受診したほうがよいでしょう。
後藤 英司
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報