三角巾(読み)サンカクキン

デジタル大辞泉 「三角巾」の意味・読み・例文・類語

さんかく‐きん【三角巾】

正方形に切った布を対角線二つに折り、三角形にした布。包帯その他の救急処置などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「三角巾」の意味・読み・例文・類語

さんかっ‐きんサンカク‥【三角巾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 包帯の代用として救急用に使われる三角形の布。ふつうの包帯が困難な場所でも利用できる利点がある。
    1. [初出の実例]「大袈裟に三角巾(さんカクキン)頬被(ほほかぶ)りをした謙作が窓から顔を出してゐると」(出典暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉二)
  3. セーラー・カラーの下に通して胸元で結ぶ三角形の布。セーラースカーフ。

さんかく‐きん【三角巾】

  1. 〘 名詞 〙さんかっきん(三角巾)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三角巾」の意味・わかりやすい解説

三角巾
さんかくきん

包帯の一種で、普通は1辺が90~100センチメートルの正方形の白布木綿)を対角線で二つ折りに切断したものをいう。これをさらに二つに折ったものが小三角巾である。用途が広く、使い方も簡単なため、そのままの形で使ったり、適当な幅に畳んで使ったりする。広い範囲を覆ったり固定したりするときのほか普通の包帯(巻軸帯)では巻きにくい頭、胸、肩、臀部(でんぶ)などの包帯として便利である。また、上肢(じょうし)を支える提肘(ていちゅう)三角巾としても用いる。

 三角巾で頭部を被覆する場合は、まず三角巾の底辺を約3センチメートル折り返し、これを外側にして底辺の中央を前額(眉(まゆ)の上)中央に当て、頂点は後頭部に垂らす。ついで両手で底辺を持ち、耳の部分で絞るようにひだをとって密着させながら頭部を覆い、両端を後頭部で交差させて前額中央で結ぶ。後頭部の頂点は下方に引いてしわを伸ばし、交差部の中に挟み込むか、あるいは頂点を前額部に持ってきて先に結んだ一端と結ぶ。提肘三角巾の使い方は、三角巾の端を首に回して結び、直角に曲げた前腕を支持固定する。かつては、三角巾に使用方法が染め描かれていたものがあったが、これは救急に際してだれもが間違いなく使用できることを目的としたものと思われる。

[山根信子]


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改訂新版 世界大百科事典 「三角巾」の意味・わかりやすい解説

三角巾 (さんかくきん)
triangular bandage

包帯の一種。さらし木綿を材料とした正方形の布片を対角線で裁断して作られる。形状が三角形なのでこの名があり,三角帛とも書く。前腕の固定などによく使用されるが,普通の包帯より取扱いが簡単なうえ,木綿なのでしっかりと縛ることができることから,出血部位の上端をきつく縛って止血したり,副木を固定するなど,応用範囲が広い。
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百科事典マイペディア 「三角巾」の意味・わかりやすい解説

三角巾【さんかくきん】

約1m平方のさらし木綿を半分にした三角形の白布で,包帯として使われる。ふつうの巻状包帯と異なり三角形をしているため,頭部,手・足部の被包や関節部の包帯などには便利で,上肢を肩につったりする目的にも使われる。救急用品に欠かせない。
→関連項目包帯

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三角巾」の意味・わかりやすい解説

三角巾
さんかくきん
cravat

対角線で折って三角形にして使う正方形の包帯布。腕を吊ったり,躯幹部の外傷を被覆したりするほか,普通の包帯が使いにくい部位にも利用できる。広い応用性をもつので,救急医療用備品としてよく使われる。

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