デジタル大辞泉 「下り居る」の意味・読み・例文・類語 おり・いる〔‐ゐる〕【下り居る】 [動ワ上一]1 下りたままでいる。下りてそこにいる。「住吉の浜を行くに、いとおもしろければ、(馬カラ)―・ゐつつ行く」〈伊勢・六八〉2 下りて座る。下りてとどまる。「その沢のほとりの木の蔭に(馬カラ)―・ゐて、乾飯かれいひ食ひけり」〈伊勢・九〉3 天皇などが位を退く。退位する。「その時の帝みかども―・ゐ給ふ」〈宇津保・春日詣〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「下り居る」の意味・読み・例文・類語 おり‐・いる‥ゐる【下居・降居】 〘 自動詞 ワ行上一 〙① 下に降りてすわる。車、馬、舟などから降りてそこにいる。[初出の実例]「乃ち泊瀬の中流(かはなか)に下(オリヰ)て」(出典:日本書紀(720)敏達一〇年閏二月(前田本訓))「しばしおりゐて馬休めん」(出典:平家物語(13C前)七)② 天皇、斎院などがその地位を退く。退位する。譲位する。[初出の実例]「かかるほどに年月すぎて、その時のみかどもおりゐ給ふ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣)③ 女房が宮仕えを退く。里下がりする。[初出の実例]「たそがれを横にながむる月ほそし〈杜国〉 となりさかしき町に下り居る〈重五〉」(出典:俳諧・冬の日(1685)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例