下兵庫村(読み)しもひようごむら

日本歴史地名大系 「下兵庫村」の解説

下兵庫村
しもひようごむら

[現在地名]坂井町下兵庫

坂井平野の中央部で、兵庫川右岸の自然堤防上に位置し、吹屋垣内ふきやがいちいち垣内中出なかで垣内・西にし垣内・てら垣内の集落と、少し離れて北兵庫きたひようご舟戸ふなと石塚いしづかの三枝村からなる。中世は奈良興福寺領河口かわぐち庄兵庫郷に属し、兵庫郷の惣社と伝える春日かすが神社も当村の南端にある。

下兵庫の呼称は江戸時代以前にはみられないが、「大乗院寺社雑事記」文明二年(一四七〇)七月一四日条に「河口庄郷々内村名」として「北兵庫の村」「舟津の村」などが記される。また同書同一六年一一月七日条は朝倉氏と甲斐氏の抗争を記し、当地近辺の様子を、「河口庄之内新庄郷・大口郷・関郷・細呂宜郷・溝江郷、此五箇所ハ悉以両陣之構ニ成之間、荒作毛払竹木了、百姓等逐電、兵庫郷内東郷ハ悉以苅田成了、北兵庫村ハ焼了」と述べている。


下兵庫村
しもひようごむら

[現在地名]橋本市隅田すだ町下兵庫

上兵庫村の西、紀ノ川右岸の丘陵地にあり、南を大和街道が通る。北の小高い丘陵の麓にある利生護国りしようごこく(現護国寺)を中心に村が形成され、村名ももとは寺地てらじ村と称したという(続風土記)。古くは上兵庫村と一村であったといわれ、建仁元年(一二〇一)六月日付の沙弥某処分田地坪付案(隅田家文書)に「兵庫」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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