六訂版 家庭医学大全科 「下垂体性巨人症」の解説
下垂体性巨人症
かすいたいせいきょじんしょう
Pituitary gigantism
(子どもの病気)
どんな病気か
子どもで、成長ホルモンが過剰に分泌されることにより、高身長になる病気です。高身長は、定義上100人のうち2~3人はいますが、ほとんどは病気ではなく体質的なものです。下垂体性巨人症は非常にまれです。
原因は何か
頭のなかにある下垂体という器官は成長ホルモンをはじめ、
症状の現れ方
子どもの場合は、まず成長率の増大および高身長が特徴的です。大人になってから発症すると手足が大きくなります(先端巨大症)が、子どもの場合は必ずしも明らかではありません。腫瘍が大きくなると、視野が障害されたり、他のホルモンを分泌する細胞を圧迫して甲状腺機能低下や性腺機能低下を来す場合もあります。
検査と診断
成長ホルモンの分泌過剰、および経口ブドウ糖負荷で分泌が抑制されないこと、尿中成長ホルモンの高値、血中IGFI(インスリン様成長因子I)の高値などにより診断されます。CTまたはMRI検査で腫瘍が見つかれば、診断は確定します。
治療の方法
治療の第一選択は手術で、(
病気に気づいたらどうする
高身長は、ほとんどの場合が体質性ですが、両親が小さいのに子どもだけ大きいような場合や、極端な高身長(2mを超えそう)の場合は、内分泌専門医に相談してください。
田中 敏章
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報