脳下垂体(読み)のうかすいたい

百科事典マイペディアの解説

脳下垂体【のうかすいたい】

下垂体,下生体とも。脊椎動物の間脳の下にたれ下がる内分泌腺。由来を異にする腺下垂体と神経下垂体とからなる。ヒトでは蝶(ちょう)形骨中央の上面にあるくぼみ(トルコ鞍(くら))に入っていて,間脳の視床下部から細い柄でつながる。腺下垂体は咽頭(いんとう)上皮の突起から生じたもので,前葉,中葉,隆起葉からなり,前葉は成長ホルモン卵胞刺激ホルモンなど6種の前葉ホルモン,中葉は黒色素胞刺激ホルモンを分泌する。神経下垂体は間脳から突出した神経組織で,漏斗(ろうと)と後葉からなる。いずれも視床下部でつくられたホルモンを貯留・分泌する機能をもち,漏斗は前葉ホルモン放出ホルモンを,後葉はオキシトシンとバソプレシンを分泌する。
→関連項目甲状腺機能低下症色素細胞視床下部内分泌疾患内分泌腺尿崩症ヒト成長ホルモン

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世界大百科事典 第2版の解説

のうかすいたい【脳下垂体 hypophysis】

脊椎動物における最も重要な内分泌腺。最近は単に下垂体といわれることが多い。神経下垂体neurohypophysisと腺下垂体adenohypophysisとからなる。腺下垂体は咽頭後部口蓋上皮の外胚葉性突起,すなわちラトケ囊Rathke’s pouchから生じたもので,哺乳類では主葉(哺乳類の場合,前葉ともいう),中葉(中間部),隆起葉(隆起部)からなる。鳥類には中葉がない。隆起葉は魚類にはなく,両生類で初めて対をなして出現するものであり,爬虫類ではワニ,カメにはあるが,トカゲ,ヘビには存在しない。

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大辞林 第三版の解説

のうかすいたい【脳下垂体】

間脳の前下部についている突起状の内分泌腺。前葉・中葉・後葉の三部から成る。主として他の内分泌腺の活動を支配する様々なホルモンを分泌する。下垂体。

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世界大百科事典内の脳下垂体の言及

【間脳】より

…間脳はヒトでは中枢神経系全体の約2%を占める小さな構造ではあるが,一様なものではなく,発生的,位置的,さらに他の部とのつながりから,(背側)視床,視床下部,腹側視床,視床上部と呼ばれる四つの部分から成っている。また視床下部と視床上部には,中枢神経系内の内分泌器官である脳下垂体と松果体(上生体)がそれぞれ付着している(図)。これらの間脳区分のうち視床は動物が高等になるにつれて全体のなかで占める割合が大きくなり,ヒトではその大部分を占めるようになる。…

【食欲】より


[中枢説]
 すでに1800年代中ごろから1900年代初期にかけて,摂食の調節に関与するのは脳の最深部に位置する視床下部であることを示唆するいくつかの報告があった。たとえば,1840年のモーによる視床下部性肥満症例,1901年のA.フレーリヒによる脳下垂体囊腫のある少年の肥満と性器発育不全を主徴とするいわゆるフレーリヒ症候群とその脳下垂体機能異常との密接な関連性,04年のエルドハイムによるフレーリヒ症候群が脳下垂体性ではなくて視床下部性であるという見解など,ヒトの臨床病理学的所見に基づく記載がある。一方,1910年代以降,動物を用いた研究も行われ,イヌやネズミの破壊実験に基づく視床下部と肥満の密接な関連性について報告された(1930)。…

【内分泌腺】より

…これまでに知られている内分泌腺は以下のとおりである。(1)脳下垂体 脳下垂体は神経下垂体と腺下垂体からなる。神経下垂体は解剖学的に神経葉と正中隆起に区分される。…

※「脳下垂体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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