下手物(読み)ゲテモノ

デジタル大辞泉 「下手物」の意味・読み・例文・類語

げて‐もの【下手物】

並の品。粗雑で安物工芸品。⇔上手物じょうてもの
普通とは違って、風変わりなもの。「下手物食い」「下手物趣味」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「下手物」の意味・読み・例文・類語

げて‐もの【下手物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 人工をあまり加えない安価で素朴な品物大衆的あるいは郷土的な品。また、粗雑な安物。げて。⇔上手物(じょうてもの)
    1. [初出の実例]「あの『大名物(おおめいぶつ)』と呼称せられるものを『下手(ゲテモノ)』と蔑まれる器の中に発見した」(出典:工芸美論の先駆者に就いて(1927)〈柳宗悦〉六)
  3. 一般から邪道、風変わりと見られているもの。奇妙なもの。いかもの。げて。
    1. [初出の実例]「私の見た入墨の中で殊に美しいものの一つであり、その味は末期の浮世絵であり、ガラス絵の味さへあった。まづ下手(ゲテ)ものの味でもある」(出典:めでたき風景(1930)〈小出重〉入湯戯画)
    2. 「チキンクリーム煮入りのホットケーキといふのは大ゲテ物」(出典:古川ロッパ日記‐昭和一四年(1939)四月一四日)

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