下樋(読み)シタビ

デジタル大辞泉 「下樋」の意味・読み・例文・類語

した‐び【下×樋】

《「したひ」とも》
地中に埋設して水を通すとい。うずみひ。
「あしひきの山田を作り山高み―をわしせ」〈・下・歌謡
琴の胴の表板と裏板との間の空洞になった部分
「琴取れば嘆き先立つけだしくも琴の―に妻やこもれる」〈・一一二九〉

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精選版 日本国語大辞典 「下樋」の意味・読み・例文・類語

した‐び【下樋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「したひ」とも ) 水を引くために地中に設けた樋(とい)
    1. [初出の実例]「あしひきの 山田を作り 山高み 斯多備(シタビ)を走(わし)せ」(出典古事記(712)下・歌謡)
    2. 「下ひの水をとも、こけに聞えてしづかなる、此山住ぞさびしき」(出典:光悦本謡曲・三輪(1465頃))
  3. 琴の腹部、すなわち甲と裏板との間の空洞の部分。
    1. [初出の実例]「琴取れば嘆き先立つけだしくも琴の下樋(したび)に妻やこもれる」(出典:万葉集(8C後)七・一一二九)

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