下者(読み)したもの

精選版 日本国語大辞典 「下者」の意味・読み・例文・類語

した‐もの【下者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 下等な者。身分の卑しい者。江戸時代、主として遊女、隠売女(かくしばいじょ)などについて用いられた語。上者(うわもの・じょうもの)に対する語。
    1. [初出の実例]「『赤子の内から下者(シタモノ)の手で育ったお巻どの』『斯うして物を返すのは、万に一つの稀なこと』」(出典歌舞伎有松染相撲浴衣(有馬猫騒動)(1880)四幕)
  3. 江戸時代、奉行所法廷で、白州(しらす)または下縁(したえん)にしか着席できなかった者。町人百姓、足軽、中間(ちゅうげん)浪人などが含まれた。上者(うわもの)に対する語。〔訴所秘鑑〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の下者の言及

【白洲】より

…さらに上段の間(上通(うわどおり))を区分して設ける奉行所もあるが,奉行は最上段の座敷に着座した。上椽以上に座る資格のある者を上者(うわもの),下椽,砂利に座るべき者を下者(したもの)という。なお椽から砂利に下りる階段はない。…

※「下者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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